Q1.先生は何期生になるんですか?
一期生です。2年生の時に新校舎ができたんだけど、遠くてね。バスの便も悪くて自転車で40分くらいかかった。冬は雪の中歩いて行ったりしましたけど、大変でしたね。当時、16歳になると軽四の免許が取れました。家が農家だから手伝いの為に免許を取ったんだけど、軽トラに乗って学校に通っていたら、先生に見つかって怒られた。始末書を書かされましたよ。そんなもん書いたことないから、「先生、『始末書』ってどう書くんですか」って聞いたらまた怒られてね(笑)。高校時代から絵を習っていました。ものづくりも好きでしたね。その当時は錦から美大に行く学生も多かったんですよ。  
中川 衛(なかがわ まもる)
経歴
1947年 金沢市生
1971年 金沢美術工芸大学卒業
松下電工入社
1974年 帰郷
石川県産業
試験場に勤務
高橋介州に弟子入り
1985年 金沢美術
工芸大学講師就任
1990年 同教授就任
2004年 重要無形文化財指定
(人間国宝)
趣味
庭造りだね。部屋にこもってあまり外に出られないから家の庭に色んな石や木を持ってくるのが楽しいんですね。(庭の専門誌に載るほど美しいお庭!)
 
   Q2.最近のご活動についてお聞かせ下さい。
ええ、今度もアメリカでワークショップがあるので準備が大変でね…私は7年前から、中近東や地中海地域の象嵌技術の研究のために、実際に現地に赴いて調査しています。象嵌技術というのは、紀元前からあったんですよ。実際に現地に赴いて出土した品を見たり調査を進めていると、「これはどうなんだろう、どうなってるんだろう?」と探求心が湧き上がってくる。中学、高校の教科書にないようなことですね。古代の技法を取り入れたりして、自分の制作活動にも役立っています。
 
 Q3.錦の卒業生にメッセージをお願いします。
社会に出てから、物事を掘り下げて深く学ぶことと、時間配分を上手にすることを心がけてきました。象嵌というのは材料づくりから始まって、制作に大変時間のかかるものです。だから、今日の3時間が何かの都合で作業できないのならば、前の日に6時間やっておく。大変でも、毎日の努力は必ず結果となって表れてきます。大学の生徒にも、「一芸をもつこと」が大切だと言っています。学校の勉強で必要とされるような、全体を広くカバーするような知識も大事でしょうが、何か一つのことに集中して打ち込めば「何でもソツなくできる人」に勝る能力を身につけることができる…少なくとも私はそう思いますね。